事業承継(1)
【事業承継は10年かかる】
事業承継で重要なこととして、会社の資産評価を低くすることだけが語られがちですが、以下の3つに集中しなければなりません。
①経営力をつけさせること(倒産しない会社経営力)、
②リーダーシップ力をつけさせること(人心把握力)、
③事業承継コスト(株価、資産価値)を低減させること
それぞれについて見ていきましょう。
【経営力をつけさせる(倒産しない会社経営力)】
業界経験の長さと経営経験の中身とは異なります。優秀な技術者が、優秀な経営者とは限りません。会社の製品・サービスに関する技術の習得と同様に、経営についてもその技術の習得が計画的に行われなくてはなりません。後継者がもつべき経営力の要素とは以下のようなものと考えます。
①人間力、人格、包容力、優しさ、厳しさ
②行動力、プレゼンテーション力、判断力、責任力
③財務能力、分析力、交渉力、調査力
この3点が60点以上あれば、成長路線を走ることができます。
【リーダーシップ力(人心把握力)をつけさせる】
経営者だけが出来過ぎてもいけません。零細企業は社長個人ですが、大企業は組織。零細企業から大企業への成長は、社員の成長と同義語です。人心の把握に必要なこととは、
①社員に行動の場を与え続ける
②社員一人ひとりの長所を引き出す
③「責任はオレがとるからやってみなさい!」とチャレンジさせる
この3点がリーダーシップの根幹になります。
【事業承継コスト(株価、資産価値)の低減】
コスト低減計画は短期間では不可能です。10年かかると見ておいた方がいいでしょう。そのために必要なことは、
①会社の後継者への経営権の集中化
②会社純資産の適正化
③事業承継税制(経営承継円滑化法)の活用
上記のことをしっかりと考えて、100年続く会社を創り上げるべきです!!
次回は事業承継時の連帯保証の扱いについて述べてみたいと思います。
(2017−1−23)